NEWS

コロナウィルスの猛威に対し、なぜ大麻の研究が進められるべきなのか?

原文:トラビス・セサローン

中国、武漢からはじまり、世界中でその猛威を振るうコロナウイルスは、新種のウイルス性のため、通常の抗生物質や抗菌薬で治療することはできません
ここ2,30年の間で、SARSなどの人類を脅かす新種の“超細菌”とでもいうべきウィルスの発生は、こうした脅威に対し、どのように防ぐのか、またどのように治療をしていくのかといった議題を投げかけてくれます。今日はそうした議論について、1つの案をご紹介します。

最近話題になっている大麻成分カンナビノイドの一つ、CBG(カンナビジオール)は、マクマスター大学の研究によると、感染症やこれらの超細菌、特に耐性の高いMRSAバクテリアを殺すことが証明されました。この研究ではマウスが用いられ、実際の感染の影響を調査しました。以前の試験管内での研究においてもCBGには同様の効果がみられましたが、今回の調査はより進んだものとなっています。

希望

CBGはグラム陽性菌(グラム染色により紺青色あるいは紫色に染色される細菌の総称)に強い効果があることが知られていますが、より病気を誘発しやすいグラム陰性菌株に対してはそれほど効果がありませんまず、CBGは体重 1kgあたり120 mg(0.12g)の用量で、一般的に使用される抗生物質であるバンコマイシンと同じ効率で、グラム陰性のMRSA細菌によって引き起こされる脾臓の細菌ストレスを軽減しました。しかし残念なことに、体重75キログラムあたり9グラムという量のCBGを摂取した際にのみ効果が期待できる。というこの研究結果では、このあまりにも多すぎる用量を考えると、CBGだけでは十分な効果が得られない。ということとイコールでしょう。

しかし、この新たな研究結果だけでは、より複雑なカンナビノイド薬理学を解説したことにはなりません。作用の効率性を高めるために、研究者たちは抗菌剤であるポリミキシンBをCBGに追加しました。これにより、CBGが細菌細胞を通過するのが助けられ、細菌細胞の内膜へのアクセスを可能にし、細胞を効果的に殺す事が発見されました。 マイクロモル量のポリミキシンBが導入されたとき、CBGは120倍以上の効力で細胞を死滅させました。これは一部の人にとっては有望な結論であり、注目すべき伝統的薬理学とカンナビノイド薬理学の組み合わせです。

植物化合物なのに特許ベースの研究の議論

しかし研究者たちがこの大麻製剤で感染症を殺すという効果での特許出願を目指すと宣言したことを考えると、この実験で添加物が加えられたのは奇妙です。彼らが調査した細菌の株は、ポリミキシンB(MRSA)を使用した試験と、使用しない試験(大腸菌)との間で一貫性がありませんでした。さらに、彼らが実験で使用した合成CBG(基材: Olivetol, Geraniol)には、いくつかの不明瞭な部分があります。

一方で、大麻に含まれる植物由来のテルペンは抗菌の特性を持っているため、医薬品の添加物の代わりの役割を果たす可能性があります。パイニンなどの一部のテルペンは、一部のカンナビノイドよりも強力に、他の感染症やMRSA細菌と戦うことでも知られています。これがオレガノとペパーミントのエッセンシャルオイルが病気によく効く理由の1つです。

超細菌の発生前の臨床研究

単なる試験管での実験を超えて研究が進んでいるのは素晴らしいことですが、大麻における研究は、THCやCBDなどの典型的な植物カンナビノイドだけでなく、CBGにおいても前臨床での理解の範疇を超えています。そのため、実際に人に行われる臨床試験での評価が必要です。今回のマウスに関する研究は、素晴らしい新たな一歩です。大麻製剤は非常に多くの病気の治療に極めて重要な役割を果たしますが、人間の臨床試験におけるカンナビノイドの本当の有効性はほとんどわかっていません。もしかしたら、大麻がこの超細菌を殺すことができるという研究結果が見つかり、よりディープaな、大麻のあらゆる側面の有効性に関する研究が進められるかもしれません。そして何よりも私たちは、本来誰しもの手が届く一般的な方法で、病気に抵抗する術を見つけなければならない状況にいます

wuhan virus
ウイルスの増幅の制御

びっくりされた方もいるかもしれませんが、CBGが他の薬剤と組み合わせて強力な抗菌効果を発揮することは実は驚くべきことではありません。人体が備え持つエンドカンナビノイドシステムの作用を通じて、他の抗菌剤の効力を高めることができるのです。この作用によりCBGは、細菌だけでなくウイルスの体全体への拡散を遅らせることもできます。 またCBGは、遺伝子や腫瘍、その他多くの細胞プロセスの調節の役割を司る、PPAR-yを活性化させ、こうした経路でカルシウムを阻害することにより、ウイルス感染が広がるのを防ぐことができます。これにより、白血球の攻撃によっておこる肺炎のようなケースでは、攻撃的な白血球をコントロールし、抗炎症作用をもたらします。

以前これについて調査した記事では、一酸化窒素は肺炎の炎症の引き金となり、こうした症状を緩和するという点で大麻の成分、特にCBGよりもCBDが優れていると紹介しました。このトピックについての研究はまだ初期段階で、カンナビノイド製剤が果たして、世界に広がるコロナウイルスと同じくらい深刻な流行に対し、本当に対処できるかどうかはまだわかりません。このコロナウィルスは、2019年12月31日以来、450人近くに影響を及ぼし、17人が死亡した非常に危険で不可解な伝染病で、米国を含む6か国での感染者の確認がされています(執筆時点:2020年1月29日において)。こうした状況に対し、ワクチンの開発もしくは、医学的な介入が必要となります。これは、一般的にその場しのぎの治療法に過ぎないため、全信頼を寄せるには及びませんが、現状のリスクを上回る利益をもたらすこともできます。

現在までの研究によると、CBGには向精神・酩酊作用はなく、人体にもほぼ無害で鎮静作用もないため、リスクはほとんどありません。カンナビノイド製剤の研究開発が進めば、細菌やウイルスなどの多くの疫病に対するさまざまな対策が可能になるかもしれません。

遅効性ワクチンに代わる大麻療法(カンナビミメティック)

大麻の持つあらゆる側面と可能性を考慮すれば、多くの病気に対し、大麻は選択肢になりうるでしょう。しかし、現在までに行われている研究を考えると、カンナビノイドとテルペンが感染症と戦うためには添加物の組み合わせが必要かもしれません。または、大麻を補助薬として使えるかもしれません。さらに場合によってはカンナビノイドは、他の薬物がウイルスと戦うのを助け、より強力な効果が得られる可能性もあります。

次の超細菌が現れ、人類にダメージを与えた後にワクチンの開発に頼るよりも前に、私たちの周りの世界の理解を深め、自然からより多くの解決策を見つけることに私たちのエネルギーを注ぐべきでしょう。こうした新たな病原体の脅威は、世界中の人々の行動を喚起することもできます。こうした出来事がきっかけとなり、最終的には植物性カンナビノイド治療薬の実用的な開発とアクセスが後押しされることに期待します。

どのように大麻はガン細胞を殺すのか? 原文:ジュリア・ヴェイントロップ翻訳:チェダー 2018年、米国科学・技術・医学アカデミーは大麻にどのような医学的なメリット...
ABOUT ME
cannabislifenetwork.jp
cannabislifenetwork.jp
カナダの西海岸より世界の大麻情報を発信する大麻ポータルサイト