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カナダの大麻合法化: 10の真実

寄稿 : Shinji from カンナビスジャパンセントラル

カナダで嗜好目的での大麻の使用が合法化され、すでに1年半が経過しました。

元々カナダの人達は大麻に関して寛容でしたが、合法化以降は大麻の話しをオープンにしている人を見かける機会が益々増えました。

しかし合法化の中身を見てみると、影響は様々な所に出ており、ユーザーにとってはもちろん、そうではない人にとっても全く影響がない訳ではないようです。

その中には喜ばしいものもありますが、やはりそればかりではありません。

今回の記事では合法化によって生じた良い事、これから更なる改善が必要になるであろう事を挙げていきたいと思います。

価格

長い間カナダ国内で大麻を使ってきたユーザーにとって、合法化によって生じた一番の変化は大麻の値段であると言えるでしょう。

低価格帯の大麻製品も存在しているのですが種類は多くないため、品種などの選択の幅は非常に狭くなっています。

また低価格と言っても、消費税は当然かかりますし、州によっては大麻税もかかるので、最終的な購入価格は決して安いとは言えないでしょう。

高品質な合法大麻(バッズ)を試してみたい場合、1/8oz(約3.5グラム)で$70前後が相場となっており、日常的に使うには少し厳しい値段設定になっています。

クオリティー

こちらも合法化当初から非常によく聞こえてきた声の1つです。

2020年現在では状況は多少改善されてきていますが、それでもディスペンサリーを訪れ「High Times」のような大麻雑誌に載っている様なきれいなバッズに出会える可能性は皆無に等しいです。

また栽培行程にもいくつか問題がある様で、それが味にも出ている事があります。

例えばしっかり時間をとらずに乾燥・キュアといった工程を急いでしまうと、テルペンが破壊され匂いが変化してしまったり、全くしなくなってしまったりする事があります。

合法化以前は、グロワー同士が互いにしのぎを削り丁寧な仕事をしていましたが、合法大麻市場では当然数字にコミットする事が優先されているので、そういった工程で時間短縮を行っています。

結果として市場には変な匂いのする低品質な大麻がで出回るという事態になっています。

THC含有量

バッズにだけに注目してみるとTHCが20%を超えるものも店頭では販売されており、一見問題が無いように見えますが、エディブルやオイルに含まれるTHCの量は政府により上限が決められており、かなり低めに設定されているので、十分な効果を得るためにはある程度の量を消費しなければなりません。

合法化以前のエディブルはTHCが50mg~200mg位のものが中心でしたが、現在は1パッケージにつき10mgまでと上限が設定されています。

個人的なことですが、私の場合は大麻を日常的に使用しており、耐性がかなり高くなっているので、効果を得るためにはTHCが10mgしか入っていない合法なエディブルの場合、4~5個食べる必要があります。

店舗・ディスペンサリー

各店、個性を出そうと努力はしていますが、嗜好大麻の使用が合法化されたのは1年半前と比較的最近の事の為、まだ大麻製品を製造している会社の数は多いとは言えません。

ディスペンサリーでは大麻そのものの販売以外にも、喫煙具やアパレルなどを販売、カンナビノイドやテルペンの事が学べる情報コーナーを店内の一角に設けたり、エディブル教室などを開催し独自の個性を出そうと様々な方法でユーザーにアプローチしていますが、多くの客を呼び寄せるまでの効果は期待できないようです。

未成年の保護

カナダ政府が嗜好目的の大麻の使用を合法化させた最大の目的は未成年の保護です。

日本ではなかなか想像が付きにくいかも知れませんが、アメリカやカナダの未成年にとってはアルコール類やタバコを手に入れるのは難しいのですが、大麻は比較的簡単に手に入れることが出来ます。

これは大麻がタバコやアルコール類より安全だと考えられている事から、多くの若者が興味本位で手を出すという事でもありますが、大麻が合法ではなかった為、しっかりと安全に管理する術がなく、結果として未成年にとって手に入れやすいものになっていたと考えられます。

合法化以降は流通経路の管理はモチロン、使用が発覚した時の罰則なども明確にされ、興味本位で手を出す未成年も合法化以前より減少している様です。

税収アップ

税収アップも大麻合法化によって生じる望ましい現象の1つだと言えるでしょう。

カナダ政府は合法化初年度は$3,500万の税収を見込んでいましたが、結果としては$1,800万でした。

ブラックマーケットから購入する層を合法マーケットに移す事が政府の目論見でしたが、予定していた通りには進んでおらず、2年目の現在は$1億を見込んでいましたが、現在は$6,600万に下方修正しています。

しかしブラックマーケットに立ち向かうべく、カナダの大麻企業は低価格帯の商品が次々と投入する準備をしており、政府もこれから売り上げが上昇してくることを予想しています。

カナダ政府は2021年に$1億3,500万、2023年までに$2億2,000万の税収を見込んでいる様です。

参考サイト : National post

前科の消失

世界ではまだ多くの国で、多くの人が大麻の所持により逮捕されています。

刑罰の重さは国により異なりますが、例えば日本で逮捕された場合、人生に障害を抱えると言っても過言ではないのではないでしょうか?

初犯、数グラムの所持では執行猶予付き判決が出る事が殆どだと思いますが、それでも執行猶予中は細心の注意を払う中で生活しなければなりません。

日本を出国する為の旅券に関しても制限が付くことがあります。

一定期間とはいえ、長い目で見ると人生に影響する事も少なくないのです。

大麻が好きで海外に出ようと考えていた人であれば尚更だと思います。

カナダ政府は嗜好大麻の使用を合法化させた約10カ月後の2019年8月1日、オンラインで恩赦の申請が出来る新たなシステムを発表しました。

その際にカナダの法務大臣David Lamettiは「以前のカンナビス法による犯罪歴が今でも一部の未成年に不相応に影響を与えていたが、この新しいシステムによって救われるだろう。」と語っています。

カナダでは仕事の面接の際に犯罪経歴証明書の提出を求められることが多いのですが、そのため大麻の所持で逮捕された経験のある人は希望の職種へ付くことが困難でしたが、このカナダ政府の措置により、多くの若者が再び諦めかけていた夢を追いかける事が出来るようになりました。

日本でもたった数グラムの所持により海外で叶える予定であった夢を諦めている人がいます。

実際にはきちんとした手順を踏めば海外旅行や移住は可能な事が多いのですが、それを知らすに諦めている人も少なくはありません。

参考サイト : カンナビスジャパンセントラル, Government of Canada

品質基準

日本と比べ、北米では大麻の医療効果が一般的に広く知られています。

カナダでは医療大麻の制度が2001年から始まっており、実際に健康管理や治療目的で大麻を使用する人は年々増加してきています。

大麻を医療目的で合法的に使うためには、医者の処方箋が必要だったのですが、大麻を使う人全員が処方箋を持っているわけではなく、中には自分で大麻を手に入れて使う人もいました。

常に衛生的にも品質的にも十分な大麻製品が手に入ればよいのですが、制度が十分ではなかった合法化以前は、カビの生えたバッズが出回る事も少なくなく、抗がん剤治療などにより抵抗力が下がっている人がそういった大麻を使う事はリスクでもありました。

合法化以降は、たとえ処方箋を持っていなかったとしても、ディスペンサリーに行けばカナダ保健省が示す基準をクリアした製品が手に入るようになったので、その様な心配も少なくなりました。

ライセンス制度

カナダで嗜好大麻が合法化されたことは、これから世界中で起こるであろう大麻の有効利用という点を考えると、大きな前進であった事は間違いありません。

現在カナダで運営されている制度は、これから合法化に舵を切っていく国が参考にするのは必然であり、だからこそより理想的な制度が求められるようになることが予想されます。

しかし現在の制度では、新規参入の壁は決して低くありません。

また大麻と一括りにする事は難しく、作業内容ごとにライセンスも細分化されており、「種の発芽」から「商品が店頭に並ぶ」までのプロセスの中で、数種類のライセンスが必要となってきます。

ライセンスを申請・入手するという事は決して気軽な物ではなく、ある程度の初期投資としっかりとしたビジネスプランをもっと望まなければ成功する事は難しいでしょう。

世界のリーディングマーケット

日本では大麻の研究者免許の取得も容易ではなく、また医療分野での大麻の有効性の認知もカナダ、アメリカと比べたら遅れていると言わざるを得ません。

また日本だけではなく、世界には大麻を違法な物として取り扱っている国は今でも少なくはないのですが、その間に北米やヨーロッパといった地域では、日々大麻に関する研究が進み、ビジネス面においても競争を激化させています。

そのような状況に目をつけ、将来訪れるであろう合法化に備え、海外で動き出している日本人も増えてきています。

参考サイト : STAT

まとめ

合法化によってカナダにもたらされた利点は様々ですが、まだまだ問題点も多いようです。

しかし政府や企業の努力もあり、そういった問題は日に日に改善されてきています。

カナダの合法大麻の流れは間もなく新しいフェーズに入ると言われており、また新しい展開が予想されています。

その中にはエディブルを提供できるレストランなども含まれているという噂もあり、これから益々カナダの大麻事情から目が離せなくなるでしょう。

将来、大麻に関わって仕事をしていきたいと考えている方にとっては、まだ競合が少ない今がひょっとしたらチャンスかも知れません。

カナダでの大麻ビジネスに興味がある方は、是非一度ご連絡ください。